研究課題/領域番号 |
08558088
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
都築 政起 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70212058)
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研究分担者 |
水谷 誠 日本生物科学研究所, 実験動物部, 主任研究員 (40072467)
伊藤 愼一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20108062)
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 助教授 (10177264)
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キーワード | ヒメウズラ / 実験動物 / 発生工学 / 体外培養 / 兄妹交配 / アイソザイム / レクチン / mtDNA |
研究概要 |
ヒメウズラ(Excalfactoria chinensis)を鳥類最小の実験動物として確立するための、基礎的データの収集を1.発生・発生工学的、2.繁殖・育種学的、ならびに3.遺伝学的見地から遂行し、以下の結果を得た。1.(1)体表各部の発達程度を全孵卵機関に渡って調査し、ウズラやニワトリとは異なるヒメウズラ独特の発達過程が存在することを明らかにした。(2)1細胞期ならびに胚盤葉期からの体外培養法を検討し、いずれも雛の孵化に成功したが、孵化率が10%未満と低く、今後培養法の改良が必要であることが示唆された。2.兄妹交配を行った場合の繁殖能力を検討した結果、交配組により、高繁殖成績を示すものと低繁殖成績を示すものの2者が存在することが明らかになった。3.(1)25種の酵素について多型の有無を調査した結果、Alcohol dehydrogenase、Aspartate aminotransferase、および6-Phosphogluconate dehydrogenaseにおいて多型の存在を確認した。またこれらの泳動バンドはタイタンIIIを用いた簡易泳動法により容易に検出可能であることも確認した。(2)市販のレクチン49種を含む約150種のレクチンに対する赤血球の凝集性を検索した結果、クリタケレクチンを始めたとする約10種のレクチンにより個体間差を識別できることが判明した。(3)mtDNAのシトクロームb領域をPCR-SSCP法を用いて検査した結果、ヒメウズラ-ウズラ間に明らかな変異が存在することを確認した。また、ヒメウズラmtDNAを制限酵素HindIIIで処理しRFLPsを調査した結果、約600bp付近のバンドに多型が存在することを確認した。以上の成果から、ヒメウズラは実験動物化を行うに十分値するものであると判断した。
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