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1996 年度 実績報告書

マルチセンサ方式を導入した携帯可能な近赤外光組織酸素モニタの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08558090
研究種目

基盤研究(A)

応募区分試験
研究機関北海道大学

研究代表者

山本 克之  北海道大学, 工学研究科, 教授 (10088867)

研究分担者 志賀 利一  オムロンライフサイエンス研究所, 研究員
工藤 信樹  北海道大学, 工学部, 助手 (30271638)
高橋 誠  北海道大学, 工学部, 助教授 (10154858)
清水 孝一  北海道大学, 工学部, 教授 (30125322)
キーワード近赤外光 / 組織酸素モニタ / 筋組織 / 脂肪層 / モンテカルロシミュレーション
研究概要

近赤外光を用いた組織酸素計測に関しては,理想条件下では,ある程度の理論的根拠が与えられてはいるものの,実測時の種々の誤差要因に関しては,系統的な基礎研究がほとんどなれておらず,使用報告例が急増するに伴い,測定データの信頼性と解釈が大きな問題となりつつある.本研究では,近赤外光を用いた生体組織酸素モニタの計測特性を解析し,種々の誤差要因の影響を明らかにして,測定精度の大幅な向上を図ると共に,小型で携帯可能な装置として,医学の新たな分野に適用することを目的としている.本年度は,シュミレーションにより測定誤差要因の解明を行い,その要因を除去可能なマルチセンサ方式の装置を試作し,ファントムモデム実験と生体での実測により誤差要因の影響を検証した.
組織酸素計測では,測定対象組織とセンサ間の介在組織が,測定結果に最も大きく影響すると推測される.そこで,筋組織を対象に,介在する脂肪層が測定値に及ぼす影響をモンテカルロシュミレーションにより検証し,脂肪層の厚みが測定感度に大きな影響を及ぼすことを明らかにした.
脂肪層の影響を除去するために,複数個のセンサを配置したマルチセンサ方式の装置を試作し,脂肪層と筋肉層かなる2層の組織ファントムにおいて,脂肪層の厚み,測定感度,受光量などの関係を定量計測した.また,ヒトを対象にした実測では,エルゴメータ負荷試験時の大腿部外側広筋の酸素濃度変化量を測定し,測定感度と脂肪層の厚みの関係を調べた.この結果,シミュレーションおよびファントム実験の結果と同様に,脂肪層の介在が測定値に大きく影響することが示された.
以上の結果より,近赤外光を用いた組織酸素計測において,脂肪層の存在は無視し得ないものなのであることを実証するとともに,その影響を補正するためのいくつかの手法を見出すことができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 庭山雅嗣: "近赤外光を用いた筋組織酸素計測における脂肪層の影響" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE96-42. 51-56 (1996)

  • [文献書誌] 山本克之: "Influence of subcutaneous fat layer on Muscle oxygenation measurement using NIRS" Proc. Symposium on Non-invasive optical diagnosis (Beijing). in press

  • [文献書誌] 庭山雅嗣: "近赤外光を用いた筋組織酸素計測の特性解析-マルチセンサ方式による定量計測の可能性-" 第1回生体・生理工学シンポジウム論文集. 189-192 (1996)

  • [文献書誌] 志賀利一: "Study of an algorithm based on model experiments and diffusion theory for a portable tissue oximeter" Journal of Biomedical Optics. in press

  • [文献書誌] 山本克之: "近赤外光を用いた筋組織酸素計測における脂肪層の影響-マルチセンサ方式を用いた同時計測による検討-" Therapeutic Research. 18(5). in press (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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