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1998 年度 実績報告書

人工心臓の学習・適応的神経制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08558091
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 健一  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005403)

研究分担者 山家 智之  東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (70241578)
松木 英敏  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
吉澤 誠  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60166931)
仁田 新一  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)
キーワード人工心臓 / 制御 / 神経制御 / 適応制御 / 学習制御 / 最適制御 / 完全置換型人工心臓 / 人工循環
研究概要

本研究の目的は,循環中枢の神経制御機能を規範モデルとした人工心臓の学習・適応制御システムを構築することにより,構造やパラメータの多くが未知あるいは時間的に変動するという生体循環系の持つ特性を考慮した人工循環制御を行うことである.
昨年度においては,末梢血管抵抗を媒介として自律神経系情報を反映することが可能な完全置換型人工心臓制御アルゴリズムに基づく末梢血管抵抗依存型適応制御系を適用した動物実験システムを構築した.本年度は,ほとんどの循環量を人工心臓が維持し,自然心臓は自己の拍動を保つ程度の循環量だけを担うハイブリツド型人工心臓装着山羊を対象とし,その心拍数を推定するモデルを同定した.このシステムでは圧反射系が開ループに近い状態となり,同定誤差が小さくなることが期待される.本システムから得られたデータに基づき,末梢血管抵抗値に含まれる情報である大動脈圧あるいは右心房圧を入力とし,心拍数を出力とするARXモデルを用いて同定した結果,心拍数を推定するには,大動脈圧と右心房圧の情報が同程度に重要であることが明らかとなった.このことにより,末梢血管抵抗を利用した人工心臓制御アルゴリズムが十分妥当であることが示された.また本年度では,定常流型ポンプを用いた模擬循環系において,末梢血管抵抗依存型適応制御系による完全置換型人工心臓の制御実験を行った.その結果,提案した制御方式は定常流型人工心臓に対しても適用可能であるばかりでなく,拍動型に比較して制御性能・計測数・アルゴリズムの簡便さについて優れていることが明らかとなった.
本研究で将来に残された課題は,a)提案方式に基づく制御系の動物実験よるさらなる評価,b)臨床応用を前提としたシステム設計,およびc)電磁駆動型人工心臓に対する提案方式の適用,等である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 吉澤 誠: "人工心臓の制御" 計測と制御. 38・5(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Motohisa Osaka: "Mutual information discloses relationship between hemcdynamic variables in artificial heart implanted dogs" American Journal of Physiology. 275・44. H1419-1433 (1998)

  • [文献書誌] Akira Tanaka: "Open-loop analysis of transfer characteristics from blood pressure to heart rate using effectively total artificial heart" Proc.of 20th Annu.Int.Conf.of IEEE Eng.Med.and Biolo.454-457 (1998)

  • [文献書誌] Makoto Yoshizawa: "Heart Replacement-Artificial Heart 6" Springer-Verlag, 521 (1998)

  • [文献書誌] Tomoyuki Yambe: "Progress in the Artificial Heart" Axel Springer Japan Publishing Inc., 180 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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