研究課題/領域番号 |
08558092
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
国府田 悦男 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40124648)
|
研究分担者 |
谷 英郎 興和(株), 開発本部, 本部長
吉田 亮 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (80256495)
|
キーワード | ゲル包括酵素 / グルコースオキシダーゼ / ウレアーゼ / バイオケモメカニカルバルブ / 多孔質薄膜担体 / 液体透過制御 / ゲルの体積相転移 |
研究概要 |
本研究の目的は、多孔性担体のポアの中に酵素を含むゲルを充填し、外部から導入された基質分子(分子刺激)によりポア内のゲルを収縮(又は膨潤)させ、担体とゲルの間に微細間隙を形成させることにより、間隙を通る液体の透過が制御できる複合材料系を構築しようとする試みである。この様な材料系は、バイオケモメカニカルシステムの発展であり、生物化学的変化に応答して物質透過が制御できる『バイオケモメカニカルバルブ』と考えることができる。そこで、本年度は、以下の3課題について検討した。(1)バイオケモメカニカルバルブの調製:各種のむモノマー溶液に酵素を溶解し、その水溶液中に多孔質薄膜担体(焼成ガラス膜とセラミックス膜を使用)を浸漬して0℃で重合を行ない、担体の細孔内に酵素包括ゲルを形成させる方法を完全に確立した。(2)作成条件の最適化:上述の方法で8種類のバイオケモメカニカルバルブを作成し、2〜3日間透水実験を行ない、最適作成条件を明確にした。(3)耐久性試験:最適条件下で作成したバイオケモメカニカルバルブを用いて、約10日間程度透水実験を行なう。 なお、以上の『バイオケモメカニカルバルブ』を構築するための基礎となるゲルの体積相転移に関する分子論的な研究を行い、ゲルの膨潤・収縮に及ぼす水素結合、疎水性相互作用の影響、解離基分布の影響に関する重要な知見を得た。
|