ハイブリッド医用材料の放射線照射効果

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08558100
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 応募区分: 試験
• 研究機関: 大阪府立大学
• 研究代表者: 林 寿郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (90026089)
• 研究分担者: 古田 雅一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (40181458) ; 藤田 慎一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (60100210) ; 米沢 司郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (80090463) ; 岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966) ; 荒井 基夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081537)
• キーワード: ハイブリッド医用材料 / 放射線照射効果 / 放射線減菌 / 固定化酵素 / ガンマ線 / 電子線 / 材料劣化 / 指標菌

研究概要

種々のハイブリッド医用材料の臨床応用に向けて、放射線減菌の有効性が期待されるが、放射線照射によって生理活性体の機能低下を生ぜしめないことが要件となる。本研究の目的は、可能な限り無菌プロセスを採用して、人工材料に種々の生理活性体(酵素、タンパク質、抗体、ヘパリン、医薬など)をハイブリッド化し、さらに種々の条件下で放射線照射することによりその生物学的機能にどのような影響を受けるかを詳細に検討し、低線量による放射線減菌の可能性を明らかにすることにある。一方では、ガンマ線および電子線照射法を適用して放射線科学反応により有効なハイブリッド医用材料の設計も試みる。
本年度は、生理活性体のモデルとして適切な酵素を選び、酵素単体およびそれを適切な高分子担体(多糖類、天然および合成ポリペプチドなど)に共有結合で固定化したものについて、放射線照射による酵素活性変化および放射線照射後の酵素安定性に関する実験的評価を行った。すなわち酵素単体あるいは固定化酸素を乾燥状態および水溶液中において種々の線量で放射線(ガンマ線あるいは電子線)照射して、酵素活性・安定性の変化から放射線影響を調べた。放射線の種類、線量および線量率と酵素分子への放射線照射の影響の度合いを詳細に検討し、その耐放射線限界を求めた。本年度の研究結果について論文にまとめ順次発表を行う。

研究成果

• [文献書誌] Y. Hirano, K. Madenokouji, A. Nakajima, N. Oka, T. Hayasi: ""Synthesis and Evaluation of Cell-attachment Activity of RGDS-related Molecules"" Trans. Mater. Res. Soc. , Japan. 20. 9-12 (1996)
• [文献書誌] T. Kawaguchi, T. Enoki, S. Tsurumaki J. Sumitani, N. Ueda, T. Ooi, M. Arai: ""Cloning and Sequencung of the cDNA encoding β-glucosidase 1 from Aspergikkus aculeatus"" Gene. 173. 287-288 (1996)
• [文献書誌] M. Oka and T. Hayashi: ""Theoretical Conformational Analysis of Periodic Polypeptides Composed of Repetitive Ala-Pro-Xaa-Yaa Sequence"" Peptide Chem.1995. 469-472 (1996)
• [文献書誌] M. Yonezawa, J. Misonoh, and Y. Hosokawa: ""Two Types of X-ray-induced Radio-resistance in nice : Presence of 4 dose Ranges with Distinct Biological Effects"" Mutation Res. ,. 358. 237-243 (1996)
• [文献書誌] S. Fujita, H. Horii, R. Taniguchi, S. Laksmi, and R. Renganathan: ""Pulse Radiolytic Investigations on the Reaction of the 6-yl Radicals of Uracils with Cu (II) -Amino Acid Complexes"" Radiat. Phys. Chem,. 48・5. 643-649 (1996)
• [文献書誌] G. F. Kutish, Y. Li, M. Furuta, D. L. Rock, and J. L. Van Etten: ""Anlysis of 76kb of the Chlorella Virus PBCV-1 330-kb Genome : Map Position 182 to 258"" Virology. 223. 303-317 (1996)
• [文献書誌] TOSHIO HAYASHI(分担執筆): "Polymeric Materials Encyclopedia" CRC Press, Inc,7 (1996)
• [文献書誌] T. Hayashi, M. Oka, and Y. Miyachi(分担執筆): "Biomedical Functions and Biotechnology of Natural and Artificial Polymers" ATL Press, 12 (1996)