研究課題/領域番号 |
08559004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
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研究分担者 |
清水 一男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282681)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
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キーワード | 非熱平衡プラズマ / 環境対策 / ガス処理 / 揮発有機物 / NOx |
研究概要 |
本研究は、3カ年計画で開始され、その中間年度に当たる平成9年度には、多くの新しい試みが試行され、また、それに伴い新たな多くの成果を上げることが出来た。大気中に放出される有害な稀釈有機物ガス分解、即ち、VOC分解では、本年度同様にトリクロロエチレンの分解処理に的を絞り、リアクタの形状依存性などを詳細に検討した。その結果、基本的には電界強度が高いほど分解時のエネルギー効率が良くなること、放電の頻度(放電励起電源の周波数)少ない方が効率がよいこと、放電極は、一様な棒よりも、鋭いエッジを有するボルト形状の方が効率がよいことなどが明らかにされた。電界強度が十分に強くない場合、後者の方が一様に放電を発生させることが出来るからであると思われる。放電が、電極のあちらこちらで不規則に発生すると、その放電プラズマのそばを通過しない汚染ガスが増加し、結果として分解率が向上しないものと思われる。また、新たに、触媒混入時の放電処理効果についても実験を開始し、条件によっては優れた分解特性が記録されている。一方、燃焼排ガス中のNOx処理については、触媒と非熱平衡プラズマ処理との共存関係を詳細に検討した。ガソリンエンジン用に極めて有効な触媒では逆に放電による性能劣化が観測され、反対に、触媒だけではNOx処理効果の少ない触媒が、非熱平衡プラズマによって明らかに分解性能向上が観測されるものも見つかるなど興味ある現象が見いだされた。今後、電界強度依存症と波形依存症の確認が必要と判明した。また、OHラジカル観測などのプラズマ診断技術も既に確立しつつあり、最終年度の来年度には多くの新たな知見が得られるものと予想され、また、その方向で研究が進んでいる。
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