研究課題/領域番号 |
08559004
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
|
研究分担者 |
清水 和男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282681)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | 非熱平衡プラズマ / 環境汚染 / 酸化窒素処理 / 揮発性有機物処理 / レーザ螢光法 |
研究概要 |
三カ年計画の最終年度にあたる平成10年度には、以下の成果が得られた。排ガス中の酸化窒素処理では、ナトリウムドープのゼオライト(Na-ZSM5)を非熱平衡プラズマと組み合わせると、プラズマなしの場合に60%の除去率であうのが、ほぼ100%の分解率となることが実験的に確かめられた。但し、この除去は、現実には吸着作用によるところが大きく、長時間動作では、酸化窒素の除去は明らかではない。また、水運の影響を調べた範囲では、5%以上の水分で影響はみられなかった。一方、揮発性有機物処理では、1,000ppmトリクレンの分解除去に絞って研究を行った。その結果、一様なプラズマをリアクター内部全体に発生できるボルト型電極でのバリア放電が最もエネルギー効率が高いことが判明した。また、余分な放電を押さえることでエネルギー効率が大幅に向上しており、今後より一段の性能向上が可能であることが予測された。また、励起高電圧の周波数依存性を調べた結果、トリクレン分解では、50Hzが最も効率的であった。反面、オゾン発生では、500Hz動作の方がよかったことから、オゾン生成とVOC処理とでは異なる反応があることが示唆された。更に、触媒との併用効果を調べたところ、コージエライトでは全く影響がないこと、ゼオライトでは吸着作用はあるが、分解除去への効果はないこと、酸化ヴァナジウムでは、プラズマ発生時に吸着以外の効果が観測された。エネルギー効率向上の可能性があり、今後の研究に期待が寄せられる。波長可変ArFエキシマレーザを用いたレーザ蛍光法での2次元OHラジカル測定系を試作し、パルス放電により形成したプラズマ中でのOHラジカルの2次元分布計測に世界で初めて成功した。OHラジカルは、放電後30マイクロ秒後に最大値を示し、その後、緩やかに減少することなどが明らかとなった。
|