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1996 年度 実績報告書

生体適合性を持つ磁気発熱材料の開発とがんの温熱療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08559007
研究種目

基盤研究(A)

応募区分試験
研究機関名古屋大学

研究代表者

松井 正顯  名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)

研究分担者 土井 正晶  名古屋大学, 工学部, 助手 (10237167)
藤内 祝  名古屋大学, 医学部, 講師 (50172127)
有田 正志  名古屋大学, 工学部, 講師 (20222755)
浅野 秀文  名古屋大学, 工学部, 助教授 (50262853)
キーワード温熱療法 / 生体適合性 / がんの温熱療法 / 磁気発熱材料 / ヒステレシス損 / マグネシウムフェライト / 超微粉末 / 超薄膜
研究概要

生体適合性を持つ磁気発熱材料の開発とがんの温熱療法への応用に関して以下のような結果を得た。
1.非常に高感度な磁気測定装置として、磁気力-効果が測定できる「磁気光学効果測定装置(日本分光株式会社)」を購入し、高感度磁気測定系を完成した。
2.生体適合性を持つバルク材料としてMg_<1-x>A_<2x>Fe_2O_4(A=K,Na,Li)の試料を作製し、磁性を調べた。試料作製ではスピネル構造が維持される範囲内で組成を変化させた。磁気測定と発熱量の測定を行った。ヒステレシス損と高周波発熱量とはよく一致し、いづれもヒステレシス損発熱を起こすことを確認した。キューリ-点(Tc)はK,Na,Liのいずれも約350℃でMgFe_2O_4より20℃程度低くなった。
3.MgFe_2O_4の微粉末化を試みた。真空中およびAr雰囲気中で蒸発法により作製した。しかし、組成分析とX線解析の結果、Mgの含有量は非常に少なく、大部分はFe_3O_4とFe_2O_3の混合状態であった。これはMgの融点が低く、蒸気圧が高いためと考えられる。そこで、Fe_3O_4の微粉末(粒子径5nm〜50nm)について磁気測定を行って、Tcと結晶粒径の関係を調べた結果、粒子径が10nm以下になるとバルクのFe_3O_4のTc(約500℃)よりかなり低くなる(300〜400℃)ことが判明した。
4.Coの微粒子をAr雰囲気中で蒸発法で作製し(10nm〜100nm)、粒子径と磁化、Tcの関係を調べたが、いずれもバルクと一致した。Tcを変化させるためには、さらに小さい微粒子となる必要があることが判った。Coの場合は作製中に酸化が起こり粒子の表面がCoOになるが、これを利用する方法を考えている。
5.種々の薄膜を作製しTcを測定した。TcはいずれもRT〜100℃程度であることが判明した。今後生体適合性のある薄膜を作製する計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 松井正顯: "新しいハイパーサーミアインプラント磁性体" 脳神経外科速報. 6(4). 267-272 (1996)

  • [文献書誌] 清水利文: "新しいセラミックスハイパーサーミアインプラント材料" 第12回東海ハイパーサーミア懇話会. 9 (1996)

  • [文献書誌] 有賀孝司: "ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜の磁気抵抗" 日本応用磁気学会誌. 20(2). 281-284 (1996)

  • [文献書誌] 來田歩: "エピタキシャル[Fe_<1-x>Ni_x/Cu]多層膜の作製と磁性" 日本応用磁気学会誌. 20(2). 377-380 (1996)

  • [文献書誌] A.Kida: "Atomic Rearrangement and Magnetism of [Fe/Cu] Multilayers on Cu(001)" J.Phys.Soc.Jpn.65(5). 1409-1412 (1996)

  • [文献書誌] 小島宏康: "貴金属-Feグラニュラー薄膜の微粒子分布と磁気抵抗効果" 日本応用磁気学会誌. 21(4)(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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