研究概要 |
1. MS 124とMS 129を大阪大学所蔵持のコーネル・コピーから浄書・機械可読にする作業を完成させた。前者については東京都立大学の甲斐博見教授との共同作業となった。なお、奥が平成9年12月にベルゲン大学ウィトゲンシュタイン・アーカイブズ(以下WAB)を訪問した折りにWAB側の転記と照合し、双方の誤記の減少を図った。 2. WABがオックスフォード大学出版会(以下OUP)から刊行するウィトゲンシュタイン・データベースCD-ROM,Vol.1のベータテスト版のテスターを奥が委嘱され、これまでの経験を数多くの提言・問題点の指摘として、製品版に反映することができた。 3. ウィトゲンシュタインとウィーン学団の関係、ウィトゲンシュタイン研究の動向の変遷、ウィトゲンシュタインのテキスト研究について、3回学会報告を行い、第一のものについては論文として公表した。 4. 平成9年12月11日にWABで"To What Extent is Wittgenstein's "Philosophical Investigations"a Patchwork?"と題する講演を行い、研究成果の概要を報告した。この講演原稿はWABのWorking Papersに公表されている。 5. 『哲学探究』に至る数多くの稿本の相互記係について考察を行い、研究成果報告書として公表し、今後の研究の指針となる対照表を添付した。 6. 研究の過程で『断片』の編集の問題点を発見し、これについてはAlois Pichler(WAB)と共同研究を実施中である。
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