研究概要 |
実験動物として長い歴史を持つラット・マウス・モルモットなどは,冬型を模した短日に暴露しても,性腺を萎縮することはなく,すでに光周反応性を喪失している。本年度の課題は,近年,実験動物として広く様々な分野で使用されているスナネズミ(Meriones unguiculatus)の光応答性を決定することであった。 実験の大要は結果以下のようであった。3週齢の雄のスナネズミ50匹を長日(LD16:8)のもとで10週間維持した後,短日(LD8:16)に移行し,短日環境暴露後6週,9週,12週,20週においてサクリファイスし,精巣重量を測定した。統制群として20週間長日環境を維持した動物を設けた。全ての動物について体重を毎週1度測定した。 その結果,短日に暴露された動物の精巣は,徐々に萎縮し始め,短日暴露後9週で最低となった。その時の精巣重量は365mgで長日群の約1/2の値であった。その後,短日環境を維持したにも拘らず,精巣は再び大きくなりはじめ,12週で568mg,20週で626mgとなり,精巣機能は再び回復した。精巣機能の回復と並行して,体重の増大が これらの結果から,スナネズミには,光周反応性が認められ,長日繁殖種に分類されることが明らかにされた。しかし,短日に対する応答はシリアハムスターに比べ早く,精巣機能の自発的回復の期間も短いことがわかった。
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