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1998 年度 実績報告書

錯視現象にもとづく明暗知覚と形態知覚の相互作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 08610088
研究機関徳島大学

研究代表者

濱田 治良  徳島大学, 総合科学部, 教授 (80109404)

キーワード明るさ対比 / エビングハウス錯視 / マグニチュード推定法 / 評定順序効果
研究概要

実験Iでは、形の要因が明るさ対比に及ぼす影響を検討した。白色紙(85×80mm)上の中央に1つの中心円を配置し、その周りに8つの周辺円を配置した(いずれも直径12mm)。そして、中心円と周辺円の明度を5種類に設定した(明るい灰色から暗い灰色までの5種類の無彩色)。また、周辺円がない単一円が統制図形として用意された。中心円と周辺円の相対明度5種類を組み合わせた25個の図形と相対明度5種類の単一円を2枚ずつの10枚、合計で35個の図形を使用した。32名の被験者が、推定範囲を10から50までの整数に限定したマグニチュード推定法を用いて、中央円と周辺円、及び単位円の黒さの程度を評定した。その結果、明るさの対比は円を取り囲む背景の明度だけに規定されるのではなく、形の要因が明るさ対比に大きく寄与していることが明らかになった。また、中央円と周辺円の間に評定順序効果は認められなかった。実験IIでは、エビングハウス錯視における大きさの評定順序効果を検討した。白色紙上(80×85mm)に、直径が4.0mmから13.0mmの範囲で1.5mm段階で変化する7種類の円を使用した。中央円は1つ、周辺円は4つとした。中心円と周辺円を組み合わせて42個のエビングハウス図形と統制図形としての単一円を7個使用した。28名ずつの被験者が中央円先行評定条件と周辺円先行評定条件にランダムに割り当てられた。被験者はマグニチュード推定法を用いて中央円、周辺円、単一円の大きさを評定した。その結果、評定順序効果は、周辺円には認められなかったが、中心円には認められた。即ち、中心円の評定値は、周辺小円の評定が先行すると小さく評定され、周辺大円の評定が先行すると大きく評定された。この結果は、中心円を取り囲む8つの周辺円が基準としての枠組みの役割を演じているので、周辺円には評定順序効果が現れず、中心円にのみ現れたことを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 濱田治良・原田江梨子: "大きさ対比事態における評定順序効果" 徳島大学総合科学部人間科学研究. 6巻. 13-22 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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