研究課題/領域番号 |
08610119
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30109368)
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研究分担者 |
伊藤 俊一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50262936)
坂本 美紀 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90293729)
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90133131)
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キーワード | 算数問題解決過程 / 統合過程 / 解決方略 / 問題表象 |
研究概要 |
昨年度(平成8年度)の研究によって得られた知見は、(1)算数文章題の理解過程と解決過程の下位分析において、理解過程を測定するテスト課題として構成された線分図課題の効果を明確にしたこと、及び(2)線分図に加えて、関係図を文章題解決の学習方略として処理した条件群は、他の条件群に比べて算数文章題解決において良い成績を示したこと、の2点であった。これらは、算数文章題解決の下位過程において、子ども自身が有する算数の知識と問題文に含まれる情報とを統合することが、算数問題解決には重要であることを示すものであった。 今年度(平成9年度)は、割合文章題の下位過程の解決を支援するコンピュータ・ソフトを開発し、小学5年生にその教授効果を吟味した研究を行った。その結果、下位過程の解決を支援するコンピュータ・ソフトが、ある種の算数文章題の解決を促進することが見られた。 以上の一連の研究成果から、子どもの算数問題解決の下位過程の中で、情報統合の過程が問題解決にとって重要であり、その訓練によって算数問題解決の促進を得ることが可能であることが明確となった。今後は、子どもの問題解決における情報の統合を促進する方略の開発、及びそのような方略の教授が多様な問題解決に有効であるのか、あるいは問題解決だけでなく問題発見の促進にまで結びつくのか、の吟味が必要である。
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