1.研究の目的と方法 本研究は、生活環境のなかの社会的側面である近隣関係から被るストレス量を測定するための尺度構成を目的に行われた。継続研究の2年目研究である。本年度は大都市の代表的住形態である、大規模面開発された高密度、積層住宅の居住者(N=600)を調査対象に、郵送法による新たに質問紙調査を実施した(1997年10月)。さらに、質問紙調査に協力してくれた対象者のなかから、ストレス尺度の項目内容の検討資料を得るために、5名を選び、面接調査法によるインタビュー調査を実施した。 2.本年度成果と結果 (1)平成8年度に引き続き関連文献調査を行い、近隣ストレス尺度を構成する項目候補の追加選出がされた。 (2)前年度に実施された予備調査結果を踏まえて、近隣ストレス尺度を構成する項目の再検討がなされ、暫定ストレス尺度が作成された。 (3)上記暫定尺度を使用した近隣ストレス量および物理的居住条件、地域特性、居住者の近隣関係、心理的行動的特徴、等の各要因間の関係に関して、多変量解析が行われた。これらの結果を基に、「近隣ストレス尺度」の構成に必要とされる基礎資料を得た。
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