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1997 年度 実績報告書

乳癌患者に対して与えられるインフォームド・コンセント前後に及ぼすパーソナリティ変容

研究課題

研究課題/領域番号 08610149
研究機関文京女子大学

研究代表者

浜 治世子  文京女子大学, 人間学部, 教授 (60066107)

研究分担者 大垣 和久  京都警察病院, 副院長外科部長
キーワードインフォームド・コンセント / 乳癌患者 / ロールシャッハ・テスト / 生検 / 気分尺度 / ボディ・イメージ / 死の受容
研究概要

本研究は乳癌の告知(インフォームド・コンセント)が、癌患者のパーソナリティにどのような影響を及ぼすかを検討することを目的としている。被験者は、京都警察病院の乳癌外来で初めて受診し、乳癌と診断された24名の女性である(平均年齢45.24歳、21〜78歳)。各患者の初診時、入院時、手術前、手術後、退院時に様々な心理テストと面接を施行し、被験者の癌に対する心理的適応を分析した。
用いた心理テストは、1)気分テスト(POMS)、2)対処スタイル、3)ソーシャルサポート、4)パーソナリティ特性、5)癌に対する心理適応(The mental adjustment to cancer,MAC)、6)ロールシャッハ・テストである。面接では、1)告知に対する理解度、2)家族への対応、3)医者との信頼関係について質問した。
主な結果は次のとおりである。
1)患者の気分は、初診時に比べると退院時には有意に良好となった(ポジティブな気分の増加)。2)上記の傾向は、患者へのソーシャルサポート(配偶者や両親など)が良好な場合にはとくに顕著であった。3)楽観主義の得点の高い患者は、一般にポジティブな気分が高かった。4)ロールシャッハ・テストを告知前に施行した場合と、告知後に施行した場合を比べると、ロールシャッハ反応に興味ある相違がみられた。告知後のロールシャッハ反応では、濃淡(shading)を用いた反応が多くみられ、ある患者は図版の内部(di反応)に癌におかされた乳房を投影している。告知前のロールシャッハ反応では、内藏反応が多くみられ、不安の投影と考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 浜治世・大垣和久 他: "インフォームド・コンセントを伴う治療過程における乳癌患者の心理的適応" 同志社心理. 43. 1-35 (1996)

  • [文献書誌] 浜 治世: "がん告知には心理的サポートを" ラージュ. 144(号). 3- (1997)

  • [文献書誌] 堀泰祐・浜治世他: "がん患者の性格特性を生かした看護の実践" メンタルケアナーシング. 3(1). 27-34 (1997)

  • [文献書誌] 興津真理子・浜治世: "母親による子どもの賞罰に及ぼす父方祖母・母方祖母の影響" 心理学研究. 68(4). 281-289 (1997)

  • [文献書誌] 浜 治世: "触感の研究:bright pressure ydull pressureおよび乳癌患者のロールシャッハ濃淡反応" 文京女子大学紀要(人間学部). 1(1). 109-138 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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