研究概要 |
本年の研究では、認知心理学の領域で使用されている実験の技法をもちいて、二言語併用者一人ひとりの認識的側面について、詳細なデータを収集することを目的としている。また、通常の二言語併用者意外にも、手話と口話を併用するろう者も、調査対象としているのが本研究の特徴といえる。 これまでのところでは、認知心理学の領域で使用されている実験の技法のなかでもとりわけ、2ケタの数字の追唱課題とストループ課題、カテゴリー語連想などを検討した。研究の成果の詳細については、「教育文化,第6号」に発表している(印刷中)。これらの認知心理学の手法を用いた課題を遂行するうえで、二言語の間での測定値の評価など、分析するうえでいくつかの問題があることが明らかにされた。ただ、ここでもいいた3つの課題は、実際に課題材料を作製する段階で、十分な配慮をすれば、二言語併用者の言語の相対的優劣を測定するのに有効に用いられることが示唆された。 今度は、同時に(1)二言語の熟達レベル、(2)個々人の生育暦と言語環境などを個人ごとに詳しく調査し、相互の関連を検討する。
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