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1996 年度 実績報告書

自己についての素朴理論-他者知から自己知へ

研究課題

研究課題/領域番号 08610152
研究種目

基盤研究(C)

研究機関関西大学

研究代表者

野村 幸正  関西大学, 文学部, 教授 (30113137)

キーワード心の理論 / 女性 / 自己知 / 努力度 / 運度 / 因果律 / Locus尺度 / 素朴理論
研究概要

われわれは自らの行為とその結果の因果律に基づいて自らのコスモロジーを構築している。その構築過程が心の理論であり、素人理論である。たとえば、われわれはある出来事の原因を何らかに帰属させるが、年令が上がるにつれて自己の努力ではどうしようもないことを知り、たとえば運命といった外的なものに帰属させる傾向がある。このことは社会的な弱者といわれる女性の場合にも当てはまるであろう。そこで、本研究は、この点に関して、女性が出来事を何に帰属させ、どのようなコスモロジーを構築することによって自己を把握しているか、自己の自己理論(自己知)に焦点を当てて調査研究を行ったものである。20代の社会人女性である490名が被調査者として選ばれ、彼女等に対してLOCUS OF CONTROL 尺度、過去の転機となった事象の記述、そしてその希望度、重要度、満足度、努力度、運度、印象度についての評定、さらには未来の事象についても同様の評定をさせた。まず、過去あるいは未来の転機事象をポジティブとネガティブに分類し、その評価得点とLOCUS 尺度との相関を明らかにした。その結果、ポジティブな人は過去の転機が希望通りであったことから、その結果に満足し、また、その結果は自己の努力が大きく関与していたと考えている。彼女らは、未来の出来事に対しても同様に自己の努力を重視し、運の関与は少ないと考えている。逆に、ネガティブな人は努力よりも運を重視している傾向がある。いずれにしても、現在の捉えた過去の転機に意味づけから未来を捉えているようであるが、この結果は必ずしも彼女達がコスモロジーの創造の主体となっていない為に生じたといえる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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