ビデオ育児日記として子どもの成長を記録する目的で15家族が研究に参加してくれている。そのうち第1子は7名(男児5、女児5)、第2、3、4子は8名(男児4、女子4)である。対象児が1歳半のときに8ミリビデオカメラを各家庭に貸し出し、日常の自然な場面を母親に撮影してもらった。場面は家族そろった夕食場面、自由な遊び場面(父親、母親、あるいはきょうだいとの関わり、対象児のひとり遊びやいたずらなどを含む)、ともだち(対象児とほぼ同じ年齢の子どもや年長の対象児のきょうだいのともだち)との遊び場面の3場面である。1つの場面毎に120分テープを使い、母親の判断によって日常通りの行動を撮ってもらった。子どもの活発な行動を追うためにビデオカメラに広角レンズを装着した。撮影されていることをなるべく意識させないようにするためビデオカメラは部屋の隅に設置してそのままテープをまわしたまま放置してもらった。1カ月後テープを回収した。回収されたテープを再生しながら、まず親子間、きょうだい間、そしてともだち間でのちょっとしたいざこざ、衝突、くい違いなどの場面を抽出した。対人関係におけるノンバーバル・コミュニケーションと情動の調節について検討するため対象児および家族の情動表出を中心に分析を行っているところである。 対象児が2歳になったとき母親へのインタビューを実施し、子どものことや家族のことについて語ってもらい、その様子をビデオ撮影させてもらった。この資料収集は現在進行中である。この家族訪問時に前回(1歳半)のときに撮影してもらったテープを20分程度に編集して持参した。そのテープを家族一緒に見てもらいそのときの対象児の表情や行動を撮影してもらうように依頼した。2才児の自己意識を調べるためである。この資料収集も現在進行中である。
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