前年度から引き続き、カ-ル・ラートゲンの著作を蒐集した。特に東京帝国大学における政治學講義録は、彼の国家観を知る上で重要であり、またこれはマックス・ヴェーバーの国家論とも密接な関連を持つことが判明した。そこでラートゲンとウェーバーそれぞれの前近代社会観と近代社会観を比較検討する作業を進め、1997年6月12日に佛教大学の学内研究会においてその中間報告を行なった。また、この二人の関係について『佛教大学報』第47号(1997年9月1日)に研究ノートを発表した。10月27日にはSACCS研究会例会(於神戸大学)において研究発表をし、この研究の現時点におけるまとめとして、佛教大学『社会学部論集』第31号(1998年3月2日)に論文「ヴェーバーの資本主義精神論と明治維新論とにかんする方法的省察」を発表した。 今年度の支出は、『マックス・ヴェーバー全集』の購入、執筆に必要なパソコン関連ハードウェア、文具に費したものである。
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