96年度は、CATVにおける双方向通信機能を活用したマルチメディア利用の実態について資料収集し、そのケーススタディを実施した。また、学生を対象として、若者の情報観及びマルチメディア観についてアンケート調査を実施した。 【ケーススタディ】 1993年末に郵政省が打ち出したCATVの規制緩和策により、新たな多様なサービスを提供する都市型双方向サービスである「フルサービス・ネット」が展開されようとしている。CATVは、地域社会の情報通信基盤として、また、高度情報化社会の中核的メディアとしてその機能を発揮しうるかを、都市部のCATVと過疎地・農村部のCATVを通して、検証した。 都市部については、NTTとの「マルチメディア通信の共同利用実験」を行っている、立川、浦安、横須賀の事例について検証した。また、過疎地・農村部のCATVとしては大分県大山町のOYTを取り上げ検証した。 【意識調査】 情報観について学生意識調査を実施した。情報格差については、東京都の格差が〈広がった〉は40.3%、〈縮まった〉は35.8%となり、二分されている。情報格差の要因としては、「東京に情報が集中している」(76.0%)、「チャンネルが少ない」(65.7%)が上位を占める結果が得られた。 97年度に於いては、都市部と過疎地・農村部の典型的CATVにおいて、利用者側からの比較調査を実施する予定である。
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