本年度の研究は、1996年の10月より始まった。本年度の研究目標は、主にデータ分析の手法の確定と着手、さらに新たなる史資料の入手であったが、研究は概ね実施計画どおりに進んだ。現在まで以下のような研究結果を見た。 1)既入手統計データの分析手法の確定 1996年12月より1997年3月まで、すでに手元にある時系列データとクロスセクションデータの分析方法について、他大学の先生方と数回の討論を重ねることができた。その結果、新たなる分析技法(下記4)を参照)を時系列データ分析に取り入れることと、クロスセクションデータを新しくクラスタリングし直し、旧来の技法を用いて再分析を行なう、というおおよそ二通りのデータ分析の見通しを立てることができた。 2)ケーススタディの対象地である幕末明治期の長野県下伊那郡の農民運動に関する新たなる資料の収集と整理 長野県飯田市に出向き、19世紀下伊那の農民運動に関する新たなるデータ・書籍・論文・史資料を入手することができた。 既入手史資料および新規入手史資料の整理 既存史資料と新規入手史資料が相当量に上り、今後本研究を進めていく上で再整理が必要であったが、その分類整理をすることができた。これにより、今後の史資料を利用しての研究の省時間化と円滑化が図れることとなった。 4)時系列データの再分析 1997年3月より、ブール代数分析という新しい分析手法を用いて時系列データの再分析を行なっている。分析は、概ね1997年3月いっぱいで終了する予定である。
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