いかなる社会福祉制度・法律による総合的なサービスが実施されようとも最終的な福祉サービスは、社会福祉専門職者によって提供されていく。すなわち、社会福祉専門従事者が「質」の高いサービスを対象者に提供できるかどうかこそが問われることになる。社会福祉専門職者の質的向上のためにはどのような条件整備が必要になるかについて考察した。 まず、第一に社会福祉における専門性とは何かを明らかにした。第二に就業前の養成のあり方を考察した。大学、短大、専門学校における養成カリキュラム内容や養成手段や方法を点検して行くことが必要である。今回の研究では、社会福祉専門従事者の実習教育に焦点を当てることにした。具体的には社会福祉専門職者養成では、世界各国の状況とともに、先進的取り組みをしてきた歴史があるアメリカ合衆国での実状を翻訳することにした。また、社会福祉専門従事者として就職した後の「現任者研修」のあり方について検討する必要がある。つまり、資質向上のための現任者研修の系統的かつ緊密に連携することが重要であるからである。これらの社会福祉専門従事者の現任者研修を側面的に支援するものとして、都道府県及び中央の社会福祉研修機関、すなわち福祉人材研修センター及び社会福祉研修センターの役割や現状課題について考察した。
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