今年度は、来年度予定している兵庫県下の高校3年生対象の調査を行うための、基本的な調査設計を確定することが最大の目的であった。 このために過去の調査データ(兵庫県南部の高校生調査1981・1982年実施 18高校3年生対象、仙台市の高校生調査 東北大学教育文化研究会 1994年実施 16高校2年生〈高専含む〉対象)の再分析を踏まえて、1996年7月から1997年3月にかけて計6回の研究会を開催し、調査テーマ、調査対象校、調査対象者等、基本的な調査設計に関わる検討を行った。 その結果、調査テーマとしては、(1)女性の進路選択パターンの変容、(2)高校が生徒のキャリア志望に及ぼす影響の変動、(3)就職希望者の意識の変容(近代的職業倫理との関連)、(4)進路選択に及ぼす親を中心とする他者の影響、(5)転職観・終身雇用に対する態度など職業意識の変容、(6b)政治的社会化と家族の影響などが主な調査テーマとして提出された。 このうち(4)ならび(6)は、調査対象者として両親を対象とした親子ペアの調査設計が望ましいが、調査実施の問題も含めてさらに検討することとした。また1981・1982年度に調査を行った18校のうち1校調査データが不十分な学校が含まれているため、その高校を除く17校を対象として調査を実施することにした。来年度早々に上記の調査テーマに基づいた調査票を作成し、各対象校に依頼の上、1997年6月〜7月に実査を行う予定である。
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