研究課題/領域番号 |
08610223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
坂本 喜久雄 中村学園大学, 家政学部, 教授 (90098723)
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研究分担者 |
佐藤 鉄太郎 中村学園大学, 家政学部, 講師 (10235369)
森 康博 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (40037081)
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キーワード | 超高齢集落 / 超過疎化 / 相続慣行 / 小家族化 |
研究概要 |
1 家族慣行調査の概要(1)この調査研究は、家族慣行としての相続、分家、扶養などに焦点をあて、こうした慣行が、現代の農山村社会のもつ現実的課題との対応関係を探ることを目的としている。具体的には、過疎集落高齢家族との対応関係である。対象地域は、丈草群、河浦町、富津支所管内の今富地区である。今富は志茂46戸、西河内41戸、大川内63戸、小島80戸、四名田14戸の244戸からなる集落であるが、調査の性格上、社会的・文化的背景を異質とする小島と四名田は除外した。したがって、調査対象戸の母数戸は、茂志、西川内、大川内の150戸である。(2)調査は、平成8年6月下旬より平成9年3月下旬まで、5回にわたる現地での代表者・分担者3名によって実施した。集計の一部については学生アルバイトの協力を得た。調査の方法は対象全戸数の戸別面接聴きとり調査を原則としたが、高年者の病気や障害等で回答不能なケースについては、必要な限り区長や関係者の照会を求めた。 2 対象戸の基本的属性(1)対象とする今富集落150戸の家族形態別では、単独世帯27.3%、核家族世帯56.0%、また家族規模では平均2.40人と算出された。(2)この数値は家族構成・家族規模ともに過疎指定地域全国平均値と比較して、桁はずれの数値である。これは高齢化指数37.8、後期高齢化指数12.8とすれば、超高齢化集落でかつ、極端な小家族化(家族規模の縮小化)が進行していることが判明した。 3 若干の分析と来年度への課題:上記のような集落の現状のもとで、相続・扶養・分家などの家族慣行は、伝統的な形態を変容させつつも、意識としては、高年層には維持されている。とりわけ、九州西南地域には、家族慣行として残存しているフィールドが数多く指摘されており、地域の福祉課題と関連して比較検討する必要を痛感している。
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