研究の第二年度に当たる平成九年度は、昨年度検討した調査項目に基づいて調査票を作成し、郵送方による調査を実施した。 主たる調査対象者の条件は、第一に孫のいる有配偶の中高年女性(50歳〜70歳)、第二に大都市地域の居住者(東京都、横浜市、川崎市、千葉市等の首都圏地域)である。来年度は地方都市との比較を考えているので、今年はその予備調査として香川県豊浜市の若干の対象者に調査を実施した。郵送サンプル数は約400人、回収は約250人(62.5%)である。回答者には配偶者のいない者も若干含まれているが、ほぼ夫妻の回答が得られた。 主要な調査項目は(1)子どもとの関係(同居・別居の理由、経済的援助の関係、交流状況等)、(2)孫について(誕生時の気持ち、世話経験の有無と世話の内容、祖父母と孫の関係についての意識等)、(3)フェイスシート(年齢、学歴、就労経験・状況、趣味・社会的活動、健康状態等)、(4)家庭状況(同居家族、住居の状態、家計の状況等)(5)祖父母と孫の関係についての自由記述である。配偶者についてはフェイスシートおよび孫との関係について同じ質問をした。 調査結果の詳細については目下集計中であるが、対象者の属性として、高学歴サンプルが多いこと、したがって階層的に中層以上に偏っている可能性がある。これは対象者の選定方法に一因があると思われる。 国際的には、中国の北京市の同様の既存調査との比較が可能であり、それと同時に来年度はできれば地方都市(長野市を予定)との比較調査を実施する計画を立てている。
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