研究概要 |
本年度は、全国市町村のなかから、首都圏A、地方中規模都市B、地方農村地域C,Dの4ヵ所を選び、教員給与政策や制度に関する教員意識アンケート調査を実施した。配布数3543で回収2023で回収率が57.09%であった。 調査項目は、1.回答者属性、2.生活、給与水準に関する意識、3.教員の仕事と給与の関係に関する意識、4.教員給与のしくみ、制度に関する意識、であった。 詳しい調査結果の内容は報告書を参照してほしいが、調査結果を総括的に整理すると、(1)日本の教員は年功的平等的な現行の給与制度・体系を基本的に是認しつつも一部問題や手直しの必要を感じていること、(2)現行制度の問題や手直しすべき点としては個々の教師の努力や仕事の成果あるいは責任・職務内容の違いなどが給与面に反映されないということ最も強く指摘していること、(3)しかし、そうした指摘は直ちに業績・能力給の導入や職務給の強化に賛同するものではなく、むしろそれらの施策には抵抗感や慎重な対応を示していること、(4)しかし、業績・能力給の導入や職務給の強化については、男女別、職務別、組合加入非加入別等で評価が大きく異なること、(5)努力や仕事の成果、又、責任・職務内容の違いを給与面に反映させて欲しいとする教師の声は、業績・能力給の導入や職務給の強化というものに特化するものではなく、仕事や職務に相応しい各種諸手当の充実や充分な金額支給、更に、超過勤務手当支給の改善といったものに対する切実な見直し要求でもあると推察されること等が明らかとなった。
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