本研究は、ドイツの政治教育における解放理念の具体化の過程とその問題点を、解放概念を巡る論争と授業分析次を通して、明らかにすることを目的としている。 平成10年度は、政治教育の指導要領の開発理論が、どのレベルでどのような他の理論の影響を受けているかを究明した。 1. 究明の手順として、1)影響関係の記述、2)各理論の概略の記述、3)各理論の要素の抽出、4)要素の全体的枠組みへの位置づけ、5)各理論間の要素の比較、6)解釈、7)全体的統合の段階を理論的に提案した。 2. ノルトライン・ヴェストファーレン州の政治教育の指導要領は、状況と資質の次元で、ブランケルツのカリキュラム構成影響が強い。 3. 学習目標の次元では、ブルームのタキソノミーではなく、マイヤーとガーゲルの影響が大きい。 4. 評価の次元では、社会科学の集団討議の考えが用いられている。
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