研究概要 |
2ヵ年継続研究の初年度にあたる本年度は、地方公共団体における大学の設置形態の状況を把握するために東京,札幌,仙台,徳島,博多などの各地の国立大学や研究所に調査・研究旅行に出かけ資料収集を行うとともに、関係者から聞きとり調査を行った。そうした資料収集や聞きとり調査の過程で地方公共団体は地域の活性化のために大学誘致を強く望んでおり、国立大学の設置が難して状況では、公私協力方式による私立大学の誘致を可能な形態として考えていることが明らかになった。しかしながら、公私協力方式のあり方にも相当の地方税歳入を充てることにも法制上、また住民感情の上からも問題のあることが見出された。また財政的余裕のある府県では、自ら公立大学を設置するところもあるが、地方公共団体の財政力により授業料に大幅に依存した形で大学を設置したところもあれば、授業料にあまり依存しなくても大学を設置したところもあり、さまざまであるが、財政貧困な地方公共団体においては公立大学への補助金要請が強いことが見出された。 資料収集については、特にアメリカ合衆国の州立大学の設置形態に関する資料収集を行ったが、アメリカの州立大学は連邦政府や私的財団からの補助金や援助のほかに、自らの基本財産で管理運営されていることが明らかにされた。基本財産についてはわが国の国公立大学の財源として構想されてもよいと考えられる。 収集した資料は研究補助員の補助を得て、文献の整理を行うとともに、購入したパーソナルコンピュータにより統計的処理を行い、分析を進めている。
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