諸外国の学校の開始時間、終了時間、年間授業日数、週授業日数、教員の勤務時間数など小学校を中心とした教育課程との関係から学校時間を調査した。現在30数か国からの回答が集っているが、督促したり、再調査依頼したりしているので、今でもまだ回収中であり、集計を継続しているところである。 世界の学校の「時間」文化を比較考察するに、一日の学校の長さは学校の役割期待(教育課程)に依存していること、年間の授業日数はその国の夏休み(長期休業日)の在り方の慣習に依存していること、学校の開始時間は地理的気候的環境と教育課程と、さらには一般社会の労働時間との関係で決まるようであるが、依然として農耕型文化を反映している傾向がある。 開始時間の調査は最も興味深い教育文化論の主題であるが、実態としては世界の学校は午前7時頃から開始する国(南アフリカ共和国)から午前9時30分(オーストラリア)あるいは午前10時頃(アメリカのチャータ-スクールの一部)に開始する学校をもつ国まで幅が広いことがわかった。学校の時間はフレックスなものでありうることを証明しうる。もちろん学校の一日の終了時間にも国によって大きな違いがある。こうした違いは教科課程の違いもあるが、それ以外にも休憩時間の設定の形態の違い、学校給食の有無、掃除時間の有無、クラブ活動等の位置付け方によっても学校の時間が異なる。
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