1 大学生文化の歴史・国際比較研究をすすめた。前者は文献から、学生の勉強や読書、余暇生活の時代的変遷を追究した。後者は文献研究をすすめると同時に、日本の大学生およびアメリカの大学生(WISCONSIN大生)にインタビュー調査を行い、勉学や課外活動、価値観の日米大学生の違いを明らかにした。 2 学生実態調査(「現代大学生の生活と意識」)は、全国の19の大学、短大生を対象にアンケート調査を実施し(1997年10月〜11月に実施)、2130名(男子619名、女子1511名)の回答を得た。調査項目は、入学形態、大学進学動機、大学選択理由、サークル活動、アルバイト、授業満足度、大学満足度、高校生活と比較、大学観、生活の比重、社会・政治意識、将来像、ジェンダー観である。この調査から学生文化、学生生活の実態のさまざまな側面が実証的に明らかにすることができた。たとえば大学入学満足度は55%と比較的高いが、授業への満足度は25%と低いなどの実態。また大学差もさまざまあり、その差を生み出す要因の分析も進んでいる。フリーアンサーから、学生たちが大学に対して持っている不満を具体的に示すことが出来(大学の授業への不満が高い)、今後の大学改革に使えるデータも充分に得られた。来年度はさらに卒業生調査を実施し、大学の教育効果についての分析を多面的にしていく予定。第1次報告は5月下旬に開かれる「日本高等教育学会」で行なう予定。
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