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1997 年度 実績報告書

病弱児の心理的援助にかかわる授業の研究-「養護・訓練」の領域において-

研究課題

研究課題/領域番号 08610308
研究種目

基盤研究(C)

研究機関国立特殊教育総合研究所

研究代表者

矢吹 和美  国立特殊教育総合研究所, 室長 (70099943)

キーワード病弱児 / 心理化 / 行動化 / 身体化 / 心理的経験
研究概要

研究は、3年計画の2年目である。
本年度は、前年度に対象児とされた8名の児童生徒に焦点を当てて授業を施行した。
対象児はいずれも、葛藤を心理的なこととして表現せずに行動化や身体化して表していた。さらに彼らは、自分と他者との関係の中で起きている客観的な出来事には気づいているけれども、自分自身の内的体験に気づくことに困難を覚えていた。また彼らは、自身の内的体験をそのまま抱える(その通りのこととして意識する)ことは、とても危険なことであることも明らかにしていた。
教材は、それぞれの対象児の葛藤のある心理的経験と重なり、かつその葛藤の解決もしくは解決への可能性が示されているような内容を持つ物語が選ばれた。
この授業の中で、対象児は、(日頃は自分の感情体験を言葉にすることが困難てあるにもかかわらず)その物語のなかで生じた出来事に対して、自分自身の主観的な感情体験を言葉にした。物語りの過程を体験的にかかわる中で、対象児に体験されていたであろうけれどもそれと意識することがなかった心理的葛藤の様を言葉にしていくことを経て、結果として葛藤の解決をもたらしたことに気づくことになったのである。
授業を通してこのような体験をした対象児は、自身の抱えている葛藤に心理的にかかわることができるようになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 矢吹 和美: "身体から言葉へ、そして意味へ" 病弱児の事例研究(第19集). 29-40 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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