研究課題/領域番号 |
08610310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹野 正 弘前大学, 人文学部, 教授 (30092266)
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研究分担者 |
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 助手 (00263062)
安 祐子 (杉山 祐子) 弘前大学, 人文学部, 助教授 (30196779)
今井 一郎 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50160023)
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キーワード | 白神山地 / 世界遺産 / 自然保護 / 入山規制 / 地域活性化 / 観光化 |
研究概要 |
今年度は、白神山地核心(世界遺産)地域への入山規制をめぐる問題の全体像を理解し、白神山地周辺村落における観光を軸にした地域活性化への取り組みの現状を把握することを目的として、村落での調査(西目屋村)、シンポジウムへの出席(青森県)および文献調査(新聞、雑誌など)を実施して研究資料を収集した。実施結果は以下の通りである。 1 青森県下の2つの新聞(東奥日報、陸奥新報)が、1991年から1997年にかけて掲載した「世界遺産」「白神山地」「地域起こし」「観光」などの事項について扱った記事を取り出し、内容を分析した。整理にあたっては、各事項に関わる組織・団体などが提唱する意見、活動内容に注目した。 2 全国2紙(朝日新聞、讀賣新聞)に掲載された記事についても、青森県版に注目して1991年から「世界遺産」「白神山地」および「観光」に関する記事を分析した。 3 新聞記事の他、1990年以来発刊された登山雑誌(山と渓谷、岳人)に掲載された白神山地核心地域への入山規制をめぐる論説を取り出し、内容を分析した。 4 1997年9月に青森市で開催された白神山地の現状に関するシンポジウムに出席し、地域住民、研究者および自然保護活動に携わる人々の主張に直接触れた。また、西目屋村で営業している宿泊施設の現状を観察し、従業員や観光客などから聞き取りを行った。 5 以上の調査から、白神山地をめぐる「自然保護」「地域おこし」「入山規制」を推進または批判する諸団体・組織の実態が浮かび上がってきた。しかし、マスメディアと文献からは地域住民の生活、外部から入域する人々(登山者、釣り人、山菜取りなど)の実態に関しては、一部の報告(掛谷ら、1990、今井、1997など)を除いてきわめてわずかしか見出せなかった。
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