本年度は東西二か所の漁村を選定し、民俗調査を実施した。 1.東日本漁村における現地調査 すでに高松による研究実績がある青森県下北郡脇野沢村を中心として、地先海域での専業漁村における民俗調査を実施した。調査は、聞き書き調査による当該漁村のmonograph作成の方向で進めた。また、廻船など漁村の歴史的性格を示す文書史料の整理を行った。8月上旬に予備調査、3月下旬に本調査を実施した。 2.西日本漁村における現地調査 鰹漁など遠洋漁業の基地として発展した漁村都市を選定し民俗調査を実施した。具体的には山口県萩市の周辺漁村を中心に8月下旬に予備調査を行った。 3.以上に並行する形で、漁民の信仰伝承に関わる検索可能のデータベースの作成を徳丸が行った。すでに、船霊信仰に関しては、ある程度の作成を完了しているが、エビス信仰、龍神信仰など、漁民のその他の信仰事象に関しても作成と整理を行った。 次年度についても、現地調査を行い、さらに調査を進めていく予定である。
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