<平成9年度> 本年度は平成8年度に調査を行った東西各漁村において、一地区あたり、数軒の漁家を選定し、各々のlife-history調査を試みた。調査では、先ず、対象となる漁家毎の漁撈形態の変遷過程、漁撈技術の修得過程を明らかにした。その上で、父-子など、世代間における信仰伝承の継承過程や、船上での生活体験の伝承化の問題、および生活体験の信仰伝承形成に与える影響などを考察した。 1).東日本漁村における現地調査(高松)。7月中旬から8月上旬にかけて実施。11月下旬には、徳丸も加わり、同時期に行われる鱈漁の「場取り」に関して、観察調査、ならびに映像記録の作成を行った。「場取り」に関しては、すでにVTRを用いた映像の撮影を行っているが、改めて、漁家に密着した詳細な記録作成を行った。 2).西日本漁村における現地調査(徳丸)。7月中旬から8月上旬にかけて実施。 調査終了後、相互に資料を検討し、3月期に各々追調査を試みた。 本年度は、計画にしたがつて、漁労伝承を漁民などから直接に、聞き書きをした。また、漁労の実際の漁場での撮影をし、記録化し、その研究成果を来年度の報告書の資料の収集ができた。
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