標記の研究課題に基づいて、今年度はこれまで調査してきた関係各機関をさらに追跡調査することに励んだ。なかでも最も期待していた富山市の隠田家に伝存する朝貢品の一つである昆布史料は昨年以上の新史料の発見は見られず、ほとんどが19世紀以後に片寄っていて研究課題から少しく離れた輸出品であることが判明した。 そのようなことから昨年鹿児島市で発掘した木脇家に所蔵されていた『肥後守祐昌様琉球御渡海日記』という明末清初に相当する難解な古記録の解読に励み、漸く本史料を活用し得る段階にいたった。因に本年度追跡調査を行なった各機関を明記すると次のごとくである。長崎県立図書館、九州大学九州文化史研究施設、天理大学図書館、関西学院大学図書館、堺市博物館、大阪大学図書館等々の各機関で調査を実施した。
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