本年度は(1)華南地域社会に関する研究論文目録を完成し、商品流通と移民の関係、移民の具体的実態についての研究が今後の課題であることが判明した。(2)華南地域史関係史料目録を作成し、『福建地方志(第2期)』(成文出版社)を購入した。現在史料整理を行っている。(3)大分大学経済研究所に赴き、『台湾事情』(台湾総督府編、大正15年〜昭和19年)より関係史料を入手した。(4)中華人民共和国福建省厦門大学台湾研究所に赴き、同研究所の研究者より明清時代福建より、台湾への移民問題、両岸の商品流通に関する研究情報をインタビューするとともに、関連論文・著書、並びに関連史料を入手した。その結果、(1)と同様の研究状況が判明するとともに、史料的には商品流通では地方志、海関史料、移民では族譜史料を用いなければならないことが明らかとなった。(5)「福建・台湾間の商品流通・移民問題」に関する論文を現在、作成中である。
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