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1996 年度 実績報告書

中国国民党と知識人との関係に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610369
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

水羽 信男  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)

キーワード中国国民党 / 中国民主同盟 / 中国民主促進会 / 中国共産党 / 民主建国会 / 羅隆基 / 施復亮 / 中国近現代知識人
研究概要

本研究の初年度である本年度は、基本史料のひとつである『新聞報』などを購入し、1920〜40年代における中国国民党と、民主主義党派に結集した中国近現代知識人との関係について検討した。その際、当該時期の中国知識人の内部における政治傾向の共通点と相違点を明らかにすること、および当時の政権党=中国国民党の建国方針と彼らの政治方針との比較検討を試みた。
その結果、中国知識人の内部は、反共主義的で親米的な政治路線を標榜し、集団主義的な思想傾向をもった隠健派(中国青年党や中国国家社会党)、可能な限り平和的な手段での変革を志向し容共的で、米ソとも等距離外交を目指した、個人主義的傾向の強い中間派(1945年の臨時全国代表者大会以後の中国民主同盟・民主建国会など)、親共的で暴力革命への傾斜を強めた変革思考の持ち主で、対外的には親ソ的傾向を示し、思想的には集団主義的な発現を行った急進派(中国民主促進会など)の三つのグループに区分できることが確認できた。
また中華人民共和国成立前夜に「中間派」として集中的な批判を浴びた施復亮や、建国後に、中国共産党により「右派」のレッテルを貼られることになる羅隆基などの分析を通じて、彼らが中国国民党や中国共産党など「党治」理念を掲げるレ-ニン主義的政党とは異り、国家意識を有し、自発的・自律的に政治に関与する能力を有した「国民」の自生的な形成に努めたことが理解できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 水羽信男: "都市知識人と革命-民主派知識人の建国構想" 近きに在りて. 30号. 24-33 (1996)

  • [文献書誌] 池田誠.上原一慶.安井浩(水羽 信男): "中国近代化の歴史と展望(第13章 羅隆基にみる中国近代知識人像)" 法律文化社, 265 (237〜253) (1996)

  • [文献書誌] 増田三郎(水羽 信男): "中国近代化過程の指導者たち(第5章 施復亮)" 東方書店, 289 (123〜154) (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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