研究概要 |
本年度は、1901年より始まる光緒新政への日本側の協力関係につき、盛宣懐を中国側のキ-・パーソンとして再発見した.一昨年の成果を基に、 (一)日清戦争前からの盛宣懐の対日交渉の起点の″発掘″ (二)1901年以後の盛宣懐の対日交渉の主軸の″発掘″ の以上の2点の解明に全力を注いだ. 結果(一)に関しては、岡千仭と盛宣懐の筆談記録が盛〓案のなかからみつかり、また岡の遊清旅行記の存在をつきとめ、盛の対日関心が日本で言う明治10年代〜20年代初からあったことを確めた。(二)に関してはアメリカ側が金本位制採用を強く働きかけたのに対し、日本側は盛の創立した通商銀行に対する横浜正金銀行,交通銀行に対する日本銀行の協力関係が主柱をなすことを解明できた。つまり、通貨改革より,金融協力を重じていたことがわかる.
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