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1997 年度 実績報告書

ギリシア古代の土地事情と財政に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610392
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鹿児島大学

研究代表者

伊藤 正  鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (10253858)

キーワード古代ギリシア / ソロンの改革 / ソロンの詩篇 / アルカイック期アテネ / ホロイ(抵当標石乃至境界標石) / 土地の再分配 / 土地制度 / 「割当地」
研究概要

上記研究課題の一環として今年度は特に古代ギリシアにおける土地の再分配とソロンの改革時代のアテネの土地問題に関して研究を行なった。まずアシェリのイタリア語の著者「古代ギリシアにおける土地の再分配」を読み、土地の再分配に関する基本的な知見を得た。その上でアルカイック期アテネにおける土地の再分配について研究を進めた。研究はV.J.Rosivach,Redistribution of land in Solon,fragment 34 Westの説を検討批判するという方法で行なわれ、ソロンが「土地の再分配を行わなかった」というときの土地の再分配とはRosivachの言うような内容のものではなく、従来どおりの解釈(貧民への土地の再分配)でよいことを確認した。次にソロンの詩篇を用いてアルカイック期アテネの土地制度全般を考察することにし、近年の代表的な研究である二つの著書(P.Oliva,Solon-Legende und Wirtlichkeit,1988,E.K.Anhalt,Solon the Singer.1993)を読んで、研究の進展を図った。具体的にはソロンの詩篇断片36に現われるホロイ(抵当標石乃至境界標石)の解釈をめぐる前7・6世紀アテネの土地問題について研究を行なった。また、ヤイレンコのロシア語の論文「植民者による土地分配に関するイッサ人民会決議の解釈について」と、アシェリのイタリア語の論文「ギリシア世界にける植民補強と土地の法制的地位」を読み、ギリシア人植民市における植民者への土地の分配について考察した。特にイッサ人の黒コルキュラへの植民市設立の際の民会決議文を史料として取り上げ、吟味の結果、以下の知見を得た。(1)最初の植民者と追加植民者に分配される土地の法制上の取り扱いに相違が認められること(最初の植民者に分配された「割当地」の半分は譲渡不可、それ以外の土地は譲渡不可を義務づけられていない)。(2)最初の植民者にさまざまな特典が与えられていること。(3)土地の再分配が禁止されていること。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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