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1997 年度 実績報告書

古代ギリシアのシュムポシオン研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610393
研究機関国学院大学

研究代表者

古山 正人  国学院大学, 文学部, 教授 (20181472)

キーワードシュムポシオン / アルカイック期 / スパルタ / シュッシティア / アゴ-ゲ- / 氏族 / 文化史
研究概要

97年9月オックスフォードのベリオール・カレッジのオズィン・マレー教授に面談しレビュウ-を受け、シュムポシオン論に関する意見交換をした。教授はアルカイック期についてのシュムポシオン論の有効性について依然としてその立場は維持しているが、ギリシア史全体に対するシュムポシオン論の有効性については見通しを誤っていたとした。そしてむしろシュムポシオン論は文化史的アプローチに有効だとして軌道を修正した。文化史的アプローチこそ、現在の歴史学の動向に合致すると積極的に評価できよう。その点の確認に、面談の意味はあった。
国内では伊藤貞夫「古代ギリシアの氏族について-新説への疑問-」『史学雑誌』第106編第11号、1997のようにブリオとルセルヘの本格的批判も現れたが、ポリス形成期からアルカイック期の社会・政治の組織原理については、シュムポシオン論は有効である。むしろ、近年の考古学による、墓域研究あるいは集落構造の研究を踏まえて、シュムポシオン論を精緻なものにしていくべきであろう。さらにまた、マレー教授が示唆するにとどまっている多くの論点を実証的に検証していくことも有望であり、スパルタのシュッシティアとアゴ-ゲ-について筆者は4月に法制史学会で報告を予定している。そこでは、シュムポシオン論の大枠を示しながら、重装歩兵革命否定論の当否の検討と絡めながら、スパルタのポリス体制確立の過程を再検討していく予定である。
図像的研究については、研究書掲載の写真・図版を利用してコンピュータにデジタル画像として保存しているが、筆者のソフト利用の習熟度の低さゆえに十分な成果を上げるにいたっていない。今後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 古山正人: "古代ギリシアのシュムポシオン" 伊藤貞夫・本村凌二編『西洋古代史研究入門』東京大学出版会所収. 65-73 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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