この課題において、東北大学考古学研究室における縄文・弥生時代生業の研究を整理し、出土した膨大な依存体のデータをコンピュータによって集成し、操作性の向上をはかるとともに、様々なデータ処理をおこない、縄文時代から弥生時代へかけてみられる生業構造の変化の解明を目標に、分析に取り組んでいる。 具体的には、写真データや顕微鏡の映像をコンピュータデータとして取り込むシステムを整備するとともに、数値側の各種属性の組み込みもはかった。また、画像処理にも取り組み、画像データから各種属性抽出の検討も進め、従来困難であった微小依存体データの数値化が可能になり、考古学的数値操作にも活用している。 本年度取り込んだデータは、主に貝塚出土動物遺存体となった。具体的には、宮城権中沢目貝塚(縄文時代後期〜晩期)、土浮貝塚(縄文時代前期初頭)、沼津貝塚(縄文時代後期〜晩期)、中在家南遺跡(弥生時代中期)、岩手県中神遺跡(縄文時代晩期〜弥生時代前期)の出土資料について、優先的に登録をおこない、5万点のデータを登録した。 また、ニホンジカ、イノシシ、キツネ、タヌキ、アナグマなどの現生標本資料のデータを登録し、活用を図っている。
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