• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

アル・ジャフル盆地表採資料の分析とレヴァント地方内陸部新石器文化の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610403
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

藤井 純夫  金沢大学, 文学部, 助教授 (90238527)

キーワードヨルダン / アル・ジャフル盆地 / 新石器文化 / 石器 / 遊牧 / ヒツジ
研究概要

本研究は2年計画であり、初年度の目標はヨルダン内陸部アル・ジャフル盆地表採の石器資料のデータ化作業(実測・写真撮影・属性計測・データ入力)であった。この目標は写真撮影の一部を残して、ほぼ達成された。
データの分析およびレヴァント地方内陸部新石器文化との比較研究は、次年度の作業である。今年度は基礎的作業、資料化の作業を通して、次のような見通しを得つつある。
(1) アル・ジャフル盆地には旧石器時代、新石器時代、金石併用期に至るまでの、広範な居住痕跡が従来行われた考古学分布調査や発掘によって知られている。この中でアル・ジャフル盆地の新石器時代の遺跡は、文化交流的観点から極めて重要である。
(2) アル・ジャフル盆地のJF9503遺跡の年代は、従来予想されたものよりも新しく、紀元前四千年紀後半の蓋然性が極めて大きいことが判明した。その年代観の根拠の一つとしてはJF9503で多数表採された板状スクレーパ-の型式が、レバンド南部で発見されている同種の石器の型式と酷似していることが挙げられる。
(3)JF9503遺跡では、石器の種類は少ないが、板状スクレーパ-が圧倒的多いことが判明した。この板状スクレーパ-(Tabular scraper)の用途については、従来は皮革の加工に用いられていたと推定されていたが、今年度の研究により、むしろ羊毛を刈る場合に用いられていた蓋然性が多いことが判明した。これはアル・ジャフル盆地からパルミラに至る内陸ステップ地帯におけるヒツジ遊牧を専業とする遊牧民の活動特に都市住民との経済的結びつきを考える上で極めて重要な視座を提供するものである。
次年度の分析作業では、これらの点について考察を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] FUJII,S.: "A Preliminany Survey in the Al-Jafr Basin,Southwest Jordan." NEO-LITHICS. (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi