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1997 年度 実績報告書

漢籍起源の語彙・成句の国語史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610426
研究機関奈良教育大学

研究代表者

山内 洋一郎  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70031581)

キーワード漢籍 / 金言成句 / 国語史 / 玉函秘抄 / 管蠡抄(かんれいしょう) / 明文抄 / 金句集
研究概要

漢籍起源の語彙成句の集成は、平安末期の『世俗諞文』に始まる。その研究は進んでいるので、鎌倉時代の大冊『管蠡抄』『玉函秘抄』『明文抄』の研究はまだしい。
まず諸本を集め、善本を調査し、本来の様態を確実化する。内部構造を考え、基本的性格を、著者を含め考察する。その結果、『玉函秘抄』については、材料として『文選』『老子』などを連続して配列し、『群書治要』に収められている順に句を並べるなど、原形が推測され、漢籍の底本をも推定できた。
『明文抄』には全巻も部分も善本がない。神宮本は続群書類従の組本であるが、説脱、誤字が多い。その推定、補完は多大の努力が要るが、有意義である。前田家尊経閣本など古写本で補完し、中国の古典籍に関って補うことが必要になる。金言成句集の下に記される漢籍名に全幅の信頼はおけない。全て原典で確認すべきである。
この原典確認作業は容易でない。『史記』『漢書』『後漢書』の書名しか記されない句を確かめてゆくのである。近年漢籍の索引(引得)は数多くなったが、個有名、事項にとどまり、語句のはない。
本研究では、テキスト研究を終えて、次に句のカード他、その整理に移った。各金言集について、原典別、五十音別の整理を行い、その観点によるまとめをした。次に、諸金言集間の影響、伝流関係の比較調査へと移った。室町時代の『全句集』など小金言集は、大金言集の伝統下に生成し、弾宗の語句を加えて出来上っている。
こうして、日本の漢籍起源の金言成句集の全容がようやく見えてきたところである。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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