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1997 年度 実績報告書

『萬葉集』および中古の和歌文学における漢語受容の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610437
研究機関京都大学

研究代表者

大谷 雅夫  京都大学, 文学研究科, 助教授 (80152172)

キーワード万葉集 / 漢語 / 題詞左注 / 受容 / 訓読 / 中国文学 / 和歌表現 / 紀貫之
研究概要

1 『萬葉集』の題詞左注を平安時代の漢文訓読法に倣いつつ訓読する作業を完了し、今年度は、昨年度分の科学研究費で購入した中国文学書の引得類を活用して中国漢語の用例を参照することによって、『萬葉集』の題詞左注、および漢文書簡の文章を正確に読解すべく努力した。特に巻五に多い漢詩分、あるいは漢文書簡の解釈について、いくつかの新たな知見を得ることができた。
2 題詞左注のみならず、『萬葉集』の歌にも中国詩文の影響の濃いことは従来さまざまに指摘されてきたものの、いまだ十分とは言えない。今年度は、平安朝以来の和歌に酒が歌われることが殆どないのに対し、『萬葉集』に酒の歌が数少なくないのは、中国の酒の詩文の表現の影響のもとになることを具体的に例証し、小論文として公表した。
3 『萬葉集』における比較文学的な考察を平安時代の和歌に及ぼす努力を始めた。特に古今集の選者、紀貫之や凡河内躬恒たちの歌に漢詩的な表現が影響を与えた例について、受容されたその新しい表現が和歌の世界でいかに消化され、変容していったかを具体的に考証し、そこから詩の表現と歌の表現とのそれぞれの個性を考究すべく努力した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大谷雅夫: "酒坏に花を-『萬葉集』の酒" 季刊「文学」増刊. 28-32 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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