研究概要 |
既存のト書きデータベースの拡充と整備のために、コンピュータによるデータ入力と校正を継続する一方、シェイクスピア劇の主要な諸版のテキスト・データをCD-ROMやインタニネットから収集した。それは、Oxrord Computer Centerの電子テキストの利用、インターネット上の各大学のサイト、およびSTCのマイクロフィッシュ(中央大学所蔵)からの複写による。また、シェイクスピア劇の主要な諸版・翻案の電子テキストを収めたCD-ROM、および、A1exander,Pope,Lewis Theobald,Samuel Johnson,EdwardCapell,George Steevens,Edmund Ma10ne,etc.によって編集された重要な版を比較調査しながら、18世紀・19世紀を通じてのシェイクスピアのテキスト研究の発展の跡をたどるべく試みた。これについては今後の課題として残された部分が多い。そして、得られた最大の成果は、あらたに必要とされる資料の確認などを引き続き行ないながら、すでに得られたデータベースを独自のサーバ上に置くことによって、国内外の研究者に向けて事実上の公開を果たせたことだった。同時に、それらのデータを駆使して、「サイバースペースのシェイクスピア」(『英語青年』別冊)や、「エリザベス朝の演劇観・悲劇観」 (『筑波イギリス文学』4号)、および「『マクベス』の〈謎〉は解かれたか」 (『文藝言語研究』35号)等にその成果を論文の形で発表した。
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