3年間に渡って交付されてきた本研究もついに最終年度を迎え、現在は研究成果の取りまとめ、発表の段階に入っている。 変質論は現在新しい研究が続々と刊行され、〓している分野であるが、本研究では新刊書籍を積極的に購入し、新しい知見を摂取することに努め、そうした歴史的・社会科学的知見を文学テクストの読解に取り入れ、従来の文学研究の分野を大きく超えた研究にすることができた。また歴史的知見が文学テクストの中でどのように織り込まれ、意味づけられているかを詳細して研究することにより、歴史研究では明らかにできない、変質論イデオレギーが人々の精神の深い所を支配していたからくりを明らかにすることができた。 母権論については研究文献が少なく、〓の分野であったが、婚姻の歴史についての研究を探ることで当時のイギリスの知識人の〓受けいれられたことが明らかになった。これは形を変えて文学テクストに多大な影響を与えており、それは主に結婚のあり方、男女両性の関係のあり方等に関して、根本的な〓議論を提起している。特に本研究では夏目漱石における影響を明らかにすることができた。 現在それらの研究について取りまとめ中であり、交付期間終了後も引き続きこれらの成果の公表に励みたいと考えている。
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