前年度にデータ・ベース化された資料体の綴り字を研究補助者の援助によって全てチェックし直した。従ってこのMS-DOSテキストによるデータ・ベースは最終的な原資料とみなされる。しかし本資料はフランスで刊行された書物のデータ・ベースであることから著作権等の問題が発生する可能性があるためInternet Homepage等での閲覧は行なわないことにした。 平成10年度の当初に予定されていたのは以下の研究項目であった。1)個々の証書に特徴的な特徴、2)指示詞や人称代名詞の形態素、3)接続詞や副詞、4)個々の証書の語彙的特徴、5)現在シャンパーニュ方言の音声特徴。このうち2)と5)を中心にデータを整理し、接続詞etとsiに関する論考と現代シャンパーニュ方言の語彙変化に関する論文を執筆した。以上は11.研究発表を参照。 本年度は科学研究費の最終年度にあたるため、成果報告書を作成した。個々の証書に特徴的な音声、形態の分析はほぼ完了し、これらを論考の形でまとめあげてはいるものの、筆者は本研究を基盤とした博士論文を目下準備しているため、現段階での研究成果は非公開にせざるを得ない。従って、本科学研究費の最終的な報告書としては、個々の証書の形態分析のための原資料となった網羅的な語彙集のみを公にし、全ての証書に関する詳細な論考は別の機会に公刊することにした。
|