ヨーロッパ文学で頻繁に再利用される蛇女メリュジーヌ伝承が他の国の文学ではどう扱われるかを、まず各国の民間伝承し、および古説話からしらべて比較対照、ついで、ロレンス、アルフ ランクネールやルクトクに従って、中世フランス説話にその変容を求めた。ウォルター・マップシェルクユ、バティルビュリー、ジョクロワ・ドセールらの記録した説話がグラエランのL、ギンガエールのL、ラングァルのLなどを通して、特〓一白鳥説話と接合しながら発展してゆき、また妖精のみならず、悪魔の女との関係、あるいは、男性の精霊との関係も含んで語られるところから、のちの幻想文字の「悪魔の〓」(カゾント)などを準備していることが確認された。日本にはトヨタマヒメ説話の他、道成寺説話、近隣の女性などがあるが、それらをトヨタマヒメとヒメかヒメの二型に分類、ヨーロッパのメリュジーヌとレイシアあるいは「見知らぬ美青年」伝承と対比させた。さらには母神信仰や始祖伝承との説話から、トヨタマヒメやメシュジーヌの〓地を冥界に規定することもできた。 ルイトゥの論文の翻訳もあわせておこなった。
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