• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

受動可能表現と自発表現の日・仏対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610501
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

春木 仁孝  大阪大学, 言語文化部, 助教授 (00144535)

キーワード再帰構文 / 代名動詞 / ヴォイス(態) / 受動
研究概要

当研究は、将来的に日本語のヴォイスやフランス語の再帰構文全体の研究につながるものである。本年度は、特にフランス語の受動可能表現や自発表現が含まれる再帰構文全体を、一つの意味カテゴリーとして統一的に説明することができるようなメカニズムを解明することを目指した。そのために、再帰構文の伝統的な定義である「主語の行為が主語に戻ってくる」というタイプの定義の不十分さを指摘し、「主語のより意志的・意図的な行為を表す」という定義を提案、様々な用法例を検討してこの定義の妥当性を検討し、類型論的に、他の言語の再帰構文などとも比較した。基本的な再帰用法のこの定義を出発点として、受動可能表現である中動・受動用法、自発表現である中動用法が派生的に説明されることを示した。基本的には再帰構文の主語は発話の主題であり、主語の指示対象に対する働きかけが行われる。再帰の場合は、働きかける主体と働きかけられる客体がイコールであり、結果的により意志的な行為を表わすようになる。中動・受動用法の場合は潜在的な動作主が、発話が属性付与発話になることによって背景化され、結果的に動作主・原因に発するエネルギーが内在化される。中立用法の場合は、外在的な原因が内在的な原因の引金となり、結果的に原因が内在化されることになる。従って、それぞれ再帰用法のパターンの上に成立していることが分かる。成果は、紀要論文として発表する。
また、科研費で購入したパソコンを用いて、再帰構文研究のための基礎的データベースを構築中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 春木仁孝: "意味カテゴリーとしての再帰-現代フランス語の場合-" 言語文化研究(大阪大学言語文化部・同研究科). 23. (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi