研究概要 |
平成8年度:1.ドイツ中世動物誌・世界年代記文学写本所蔵図書館に写本Microfilmを発注し,Maurer版>Der altdeutsche Physiologus<;Ehrismann版Rudolf von Ems:>Weltchronik<の電子テクスト化,CONTEXプログラムに基づく全語彙のコンコーダンス化を進めた.2.国際動物叙事詩学会(7月,慶応大学)で研究発表"Intertextueller Vergleich der Physiologus-Versionen"を行い,公式記録(1997)に収録された.平成9年度:1.日本独文学会(6月,慶応大学)で研究発表「ドイツ中世博物誌・世界年代記の異類像」を行い,広島大学文学部紀要に論文発表した.2.第12回国際動物叙事詩学会(9月,トリノ国立文書館)で研究発表を行い,>Physiologus<とFriedrich2世>De arte venandi cum avibus<の自然観を比較した.3.5種の>Physiologus<の電子テクストを作成し,CONTEXを援用し,4種のコンコーダンスを完成した.4.平成9年度「研究成果公開促進費」(一般学術図書)に基づき『ドイツ中世博物誌・世界年代記における異類像』を平成10年2月に刊行した.第1部で西洋中世と日本中世の異類像の比較,現代言語学の観点からドイツ中世語源学の可能性と限界の解明,ドイツ中世の自然科学的態度と中世博物誌のキリスト教的迷信との対立を扱い,第2部に>Physiologus<の4つの版のコンコーダンスを収録した.平成10年度:1.Millstatt写本のコンコーダンスを作成し,Millstatt写本編纂の問題点を解明した.2.9月に,Wolfram協会会長ドイツSaarland大学W.Haubrichs教授Oswald協会会長・相関文化ゲルマニスティーク協会(GiG)会長Salzburg大学U.Muller教授を現地に訪ね,古文書学的分析とコンコーダンスに関しレヴューを受けた.3.GiGシンポジウム(9月,Salzburg)で研究発表,,Die Kanonbildung in der japanischen Germanistik“を行なった.4.(1)>Weltchronik<の電子テクスト化,(2)>Weltchronik<のテクスト・コンコーダンスを作成した.報告書には>Physiologus<のMillstatt写本とRudolf:>Weltchronik<の両コンコーダンスを収録する.
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