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1997 年度 実績報告書

素性構造理論による朝鮮語音韻の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610521
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

平野 日出征  東北大学, 文学部, 教授 (90077496)

キーワード最適性理論 / 忠実性制約 / 有標性制約 / MAX制約 / ANCHOR-RIGHT-SEG制約 / 縮約形 / 分節音削除 / 朝鮮語
研究概要

朝鮮語の音韻現象を最適制理論を発展させたCorrespondence理論によって分析し,それらの現象に対して普遍的制約とそのランキングによって分析した。音結合制約によって朝鮮語の音節の構造に見られる制約が主として忠実性制約であるIDENT制約,MAX制約の相互作用によって説明できることが明らかとなり,朝鮮語のわたり音は子音であること示した。同化現象は普遍的素性結合制約であるCON/NAS制約COR/LAT制約,PER/LAT制約などの相互作用によって最適形が評価されること,硬音化,有気化現象は子音結合における〔Larngeal〕素性の存在が条件となることを明らかにし,硬音化に見られる複数の交替形の存在は制約のランキングの入れ替えにより説明した。朝鮮語に見られる要素削除の現象は従来の不完全指定理論による言語固有の素性構造の複雑さに依存する説明を越えて,素性構造に基づく普遍的素性有標性制約によってより簡単に説明可能であることを示した。最後に,Ideophonesにおける高母音の例外的な不調和によって交替する形式が並存できることはREPEAT制約とIDENT-σ制約のランキングの交代によって説明できることを示す,と同時にIDENT制約は位置の指定が必要であることを主張した。
第二に,縮約形を分析した。朝鮮語の縮約形形成は母音を削除することによる形成と音節,あるいは複数の要素を削除することによる形成がある。前者ではBi-syl制約とONS制約が高い位置にランクされ,縮約形が二モ-ラからなる音節で構成され,音節初頭子音の保持,さらに,MAX制約の下位制約として規定できる分節音の有標性も最適形の評価に決定的な働きをすることを明らかにした。後者の縮約形はMAX-SYL制約とMAX-DOM制約によって二つの範疇に分けられ,ANCHOR-L制約が高い位置にランクされ語頭音節型の保持,また,ARS制約が右端の要素ができるだけ保存されることを示した。縮約形の中には原形にたいして異なった二つの形式が現実形として持つ現象は制約のランキングの入れ替えによることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 平野日出征: "朝鮮語分節音韻論における忠実性と有標性" 東北大学文学部研究年報. 47号. 264-296 (1998)

  • [文献書誌] 平野日出征: "朝鮮語の音縮約とMAX-DOM,MAX-SYL制約" 東北大学言語学論集. 7号. 1-17 (1998)

  • [文献書誌] 平野日出征・中村捷編: "言語の内在と外在" 中村捷・平野日出征, 420 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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